誠-変わらぬ想いの果て-
―――しばらくの後
「さ、ここがあなた達の屋敷よ。
我ながらいい出来だわ。
うん。完璧」
「おおっ!!壬生の屯所そっくりじゃないですか!!」
奏は思わず駆け出した。
門に頬擦りまでしている。
「中は一人一部屋ゆったりととれるように作ったけどね。 まぁ、部屋の数が増えただけで全体の作りは変えてないわ」
「ありがとうございます!!」
「かたじけない!!」
「すっげー!!……すっげー!!」
「ホント、本物みてぇだな」
中に入ると本当にそのままだった。
廊下が引き伸ばされて部屋が増えている以外は。
都槻は広間に入り、土方を下ろした。
「さて、と。この人は
――あら?いい男ね?」
しげしげと顔を近付ける都槻に危険を察知したのか、土方は軽く身をよじった。
気絶してても気づくなんて、さすが土方さん。
あ、ヤバい。
これ以上見てたら、私まで寒気がしてくる。