誠-変わらぬ想いの果て-
「自分の力の過信だな」
「まったく僕達を敵に回そうだなんて」
思いっきり悪人ぽい台詞だ。
一応、確認のため。
ここは動乱の幕末の京都ではなく、平穏な平成の静岡だ。
相手も幕府打倒を謀る長州ではなく、高校の一介の剣道部員達だ。
「頼む!!部に入ってくれ!!」
「いや、稽古だったらつけてやるよ」
ズザーッと足元まで来て、土下座する部員達。
爺に部活に入ることを禁じられていたため、原田はそう返した。
「本当か!!?」
「約束だぜ!!?」
「明日から来てくれよ!!?」
嬉々として部員達はさらに迫った。
沖田がニヤァと妖しい笑みを浮かべているのを見つけ、すかさず土方。
「総司、お前は奏と見取り稽古だ。
二人で手本見せるだけでいい。
他には何もするな」
「えぇ〜。土方さん、横暴ー」
「副顧問の命令だ!!」
「僕、部員じゃないですから」
あぁ言えばこう言う、こう言えばあぁ言う。
土方の手にあった竹刀がミシリと音をたててしなったのは言うまでもない。