誠-変わらぬ想いの果て-



「みんな大丈夫ですか?」


「あぁ。なんとかな」


「何なんだ?さっきの風」




辺りにはどこからか飛んできたと思しきものが散乱している。


明日騒ぎになるのは目に見えていた。


ガラスが割れていないことがせめてもの重畳といったところだ。




「雷焔君、これを」




山南が飛んできたものの中から鳥の羽を持ってきた。


ただの鳥の羽ではないことは一目瞭然だ。


なにしろ、これが本当に鳥だとしたら、長身の人間くらいの大きさだ。


ダチョウくらいだろうか。


しかし、ここは学校の中。


ダチョウが走るわけがない。




「でけぇな。これ」


「あぁ」




奏はしばし考え込み、バッと身を翻した。


外に出て、何かの文様を描き、刀で手を少し切り、地面に血を流した。



< 69 / 254 >

この作品をシェア

pagetop