誠-変わらぬ想いの果て-
「みんな大丈夫ですか?」
「あぁ。なんとかな」
「何なんだ?さっきの風」
辺りにはどこからか飛んできたと思しきものが散乱している。
明日騒ぎになるのは目に見えていた。
ガラスが割れていないことがせめてもの重畳といったところだ。
「雷焔君、これを」
山南が飛んできたものの中から鳥の羽を持ってきた。
ただの鳥の羽ではないことは一目瞭然だ。
なにしろ、これが本当に鳥だとしたら、長身の人間くらいの大きさだ。
ダチョウくらいだろうか。
しかし、ここは学校の中。
ダチョウが走るわけがない。
「でけぇな。これ」
「あぁ」
奏はしばし考え込み、バッと身を翻した。
外に出て、何かの文様を描き、刀で手を少し切り、地面に血を流した。