誠-変わらぬ想いの果て-
「奏、何やってんだ?」
後を追ってきた藤堂が尋ねた。
奏は振り返らず
「手っ取り早い方法で聞き出そうと思って」
そういうが早いか、門が現れた。
ギギイッと固い音をしながら開き、一人の男が姿を現した。
「よう。おめぇら、久しぶり!!」
現れたのは烏天狗である鷹だった。
先程までミエやレオンと共にフランスに赴いて、こき使われていたのだろう。
喜色満面に登場した。
「奏、目覚めたんだな」
「そう。これ、天狗の翼の羽よね?」
「おう?」
目の前にズイッと出された羽に目をしばたかせ、受け取った。
裏返しにしたり、色々として最終的に結論を下した。
「あぁ。確かに間違いなく天狗だな。
しかもこの羽の具合からして高位だぜ?」
「鞍馬や愛宕と同等?」
「いや、そこまではない。
羽が纏う妖気が次第に失せてるからな」
強い妖はいつまで経っても妖気を発し続ける。
以前、玉藻前という妖狐が封じられた殺生石のように、災いをなすようになるのだ。