誠-変わらぬ想いの果て-
「だが、妖達はキツネが動きを見せていると言っていたぞ?」
そこだ。
奏の腑に落ちない所は。
こっくりさんと聞いて、妖の低級か、死霊だと思っていた。
だが、ここにきて、事態は変わった。
待ち受けていたものが天狗で、それなりに高位のものであるというのだ。
確かに、この学校は集まりやすく、何が住み着いていても文句はない。
だが、高位の妖ともなれば話は別だ。
彼らは概して人を厭う傾向にある。
「天狗も自尊心、高いのにどうして――」
「住みかを荒らされたとかか?」
「人間に?」
「いや、そのこっくりさんで呼び出された奴らにだ」
「それで捜し回ってるとかじゃね?」
なるほど。
それが一番高いかもしれない。
自尊心の高い天狗なら、何としてでも排除するでしょうね。
珍しくいいこと言うなぁ。
三馬鹿も。