金髪王子2

俺は栞の肩を抱き、耳元に唇を寄せた。


村上先輩がこっちを見ているのは、百も承知だ。


とことん見せ付けてやる。


「栞、今日、打ち上げがあるんだって?」


ヒソヒソ声で聞くと、栞はうなずいた。


「俺、栞とふたりでお祝いしようと思って、レストラン予約してあるんだけど、来てもらえない?」


栞は、また目を丸くし、でもすぐに少し困ったような表情で俺を見あげてきた。

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