金髪王子2

考えるより先に、私は申し出ていた。


「あの、私、カウンター入ってますよ。
森さん、どうぞ行ってきてください」


「え、でも、栞ちゃん、もう図書委員じゃないのに、悪いわ」


森さんはそう遠慮したけれど、私が「大丈夫ですから」と笑顔で背中を押すと、最後には、


「じゃぁ、できるだけ早く戻るから。ごめんね」


と、手を合わせて、理事長室へ向かった。




森さんを見送り、カウンターに入ると、さっきのふたり組の男子が本を抱えてやってきた。

< 192 / 519 >

この作品をシェア

pagetop