金髪王子2

私が微笑むと、森さんは眉尻を下げて私を見る。


「図書委員がみんな、栞ちゃんみたいだったら助かるんだけど」


ハハハ、と照れ笑いしていると、スピーカーから校内放送が聞こえてきた。



「図書室司書の森先生、至急、理事長室までお越しください。繰り返します。図書室司書の……」



スピーカーを見あげ、森さんがつぶやく。


「えっ、私?
困ったわね、今、ここを外すわけには……」


あっ、そうか。


今日は、図書委員がいないから、森さんがいなくなったら、貸し出しができなくなっちゃうんだ。

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