金髪王子2

でも、栞の表情は固い。


それが、少し悲しい。


それでも、栞は、ちゃんと話はしてくれるようだ。


「あのね、ちょっと前に図書室に行ったときに、司書の森さんが勧めてくれたの。
私は、司書に向いてるって。
それで、私、本好きだし、図書室も好きだから、やってみたいなって思って」


「そっか」


「うん……」


普通にしゃべってくれるけど、俺の顔を見ようとしない栞。


まだ、男が怖いのか?


「その、司書になる学科、なんていったっけ?」


「図書館情報科」

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