金髪王子2

「そう、それ、北山学園大にはないんだ?」


「うん。
森さんも、うちの高校の卒業生なんだけど、やっぱり外部受験して、聖慶の図書館情報科に行ったらしいんだ」


「そうなんだ」


「うん」


「そのぅ、前に聞いたときは、北山学園大の日本文学科って言ってなかったっけ?」


できるだけ責めるような口調にならないように気をつけたけど、大丈夫か?


栞の表情をうかがうと、ちょっと顔を赤くしている。


「うん、そう思ってたんだけど……。
だから、ホントにごく最近なの。
司書になりたいって思うようになったのは。
それで、大輔くんにも言いそびれちゃって。
あの、ごめんね?」

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