金髪王子2

「あぁーっと、先輩!
文学部の教室がある建物は、ここから見えますかぁ?
あの辺かなー?」


先輩の気をそらすため、やたらに高いテンションで聞いてみる。


うぅ、我ながら、わざとらしい。


でも、村上先輩は、ちゃんと質問に答えてくれた。


「え? あぁ、文学部棟は北側なんだ。
ここからだと、反対側だから見えないね」


「あっ、そうなんですねー。
私、大学って初めて入ったんですけど、ホント、広いですよねー。
学食も、すごく広いし、何席ぐらいあるんでしょうねー」


「ん? さぁ、どれくらいかな?
1000、とかあるのかもな。
でも、昼時には満席になるよ」

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