金髪王子2

ケンカを始めそうなふたりに、私は勢い込んで声をかけた。


「あ、あの!」


「ん?」


「私が頼んだんです。
受験が終わるまで、会わないでいようって。
そうじゃないと、私、勉強に集中できないからって」


私がそう言うと、大輔くんは、またふてくされたように向こうを向いてしまった。


ゴメンね、大輔くん。


なんか、ホント、いろいろゴメン。


心の中で謝って、私は高部先生に向き直った。


「それで、最近、電話もメールもあまりしてなくて、今日見学に来ることも大輔くんに言いそびれちゃって」

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