金髪王子2

ますますおだやかに気持ちになって顔をあげると、森さんは、かなり無遠慮に、じろじろと奈良坂くんを観察していた。


大輔くんはそしらぬ顔で紅茶を飲んでいる。


見られることには、もう十分すぎるほど免疫があるんだろうな。


私がそんな森さんを見ていると、目が合った森さんは、いたずらが見つかった子どものように照れ笑いした。


そして。


「奈良坂くんのことはね、いろんな生徒から聞いてたのよ。
でも、はじめまして、よね?」


森さんが大輔くんの顔をのぞきこむ。


大輔くんは「はい」とうなずいた。

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