金髪王子2

「あの、でも、私が大学を卒業するまで、まだあと4年以上ありますけど……」


そう言うと、森さんはにっこりうなずいた。


「ちょうどそのくらいに辞められたらなぁって思ってるの。
私の主人、転勤族でね。
今も大阪に単身赴任中なんだけど、35歳くらいまでには子どもも産みたいし、そしたら、一緒に転勤先にもついていきたいなって思ってて」


「はぁ……」


「まぁ、子どもは授かるかどうかわからないけど、たとえできなくても、ずーっと主人と離れ離れっていうのも寂しいしね」


「そうだったんですか……」


森さんにそんな事情があったなんて、全然知らなかった……。

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