金髪王子2

「だったら、問題ないわ」


「……はい?」


胸を張ってそう言う森さんを、いぶかしげに見つめると。


「栞ちゃんには、私の後任を頼みたいの」


「ええっ!?」


後任?


って、ここの?


いたずらっぽく微笑む森さんが、内緒話をするように顔を寄せてきた。


「実はね、ずーっと、誰か適任者はいないかなぁって探してたの。
おととし、栞ちゃんが図書委員としてここで働いてくれてたときから、この子いいかもって目をつけてたんだけど、
5月に手伝ってくれた姿を見て、やっぱり栞ちゃんがいいなって思って。
だから、司書にならない?って誘ったの」


ええーーーっ!?


森さんに、そんな魂胆があったなんて……。

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