金髪王子2


まぁ、そんなわけで、俺は、「自分は日本人だ!」と誇りを持って思っているけれど、


鏡を見るたびに思い知らされる、自分の体に流れる欧米の血を全否定する気はないし、


ばあさんの生まれ育ったアメリカにも、親父の国にも、興味はあるんだ。


学校の授業でも、日本史と世界史が一番好きだし、もっと勉強したいと思ってる。


だから、大学は、史学科に進みたい、と考えていた。




俺の言葉を聞いたセンセーは、もうそれ以上は何も言わず「そうか、わかった」とだけ言って、進路の話はおしまいになった。

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