金髪王子2

「うん、どうぞ」


ちょっと照れくさいけど、でもこのあと、食事に出かけるんだから、食べるなら今しかないよね。


リボンを解いて、ふたを開けた大輔くんは、興味深げに中をのぞいている。


「へぇー、すごいじゃん。
売ってるやつみたい」


そんなことをつぶやきながら、これ、ケーキ? と聞いてきた。


「ブラウニーって言うの。
チョコレートブラウニー。
中がしっとりした、チョコレートケーキって感じかな」


「ふぅん、初めて食べる。
じゃ、いただきます」


「どうぞ」


四角く切ったひと切れを手に取り、口に運ぶ大輔くんを、ドキドキしながら見守った。

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