金髪王子2
「そうよ。
あれだけあからさまにアプローチしてきてるんだから、気がつくでしょ、普通。
まぁでも、そこで気がつかないのが、栞か……」
綾音のセリフに、私は目を見開いた。
「え、それって、つまり、村上先輩が私を?」
「そうよ!
私があれだけ奈良坂のことを言ってもくじけないんだから、村上先輩、相当、栞に入れこんじゃってるみたいね」
「えーっ? まさかぁ!
そんなの、信じられない。
だって、私、村上先輩となんて、今日初めて口きいたんだよ?
それなのに、好かれてるなんて、ありえないよー」
私が戸惑っていると、急に後ろから羽交い絞めにされた。
「誰が誰に好かれてるって?」