今日も今日とて僕は僕をコロシます
親指の爪で、手を抉る。眠気が覚めるような痛みを伴っても、手のひらにあるあの感触は消えない。
「あまりにも酷いので両手を切ろうと思いましたが……冷静に考えて、この感触は脳から来るものなのだから、両手を切り離したところで何の解決策にもならないと自決しました」
「それで。それがなぜ、お前の連続殺人に繋がるんだ」
「上塗りをするためです」
「上塗り?」
「はい。同じ感触を何度も繰り返せば、やがて彼女を刺殺した感触も上塗り――上書きされるのではないかと思いましてね。
実際に“柔らかく”なったんですよ。あまりにも刺殺ばかりしていたせいか、どの感触が彼女の肉を貫いたものかと薄らいできている」