年下の罠-年下の悪魔-
私の驚きをよそに、その人は後部席に座った。
私、助手席に座っててよかった。
「っていうか、女の子に運転させちゃってごめんね。さっき軽くビール飲んじゃって」
「全然OK!こっちこそ急に誘っちゃってごめんね」
バックミラーから見えるその人。
一目で年上だとわかった。
散々年上と付き合って来たんだもん、何となくわかる。
黒髪の…、ウルフっぽいふわふわした毛。
カジュアルな服装で、物腰も柔らかそう。
それに何より
車内に入って来た時のシトラス系の香り。
「あ、自己紹介してないね。小林雅治!よろしくね!」
「あ…はい」
明るくて爽やかな声。
向日葵か太陽みたいな笑顔。
正直、涼君と全っっ然違う!
おんなじ「男性」?
まるで別の生き物みたい!
昔の私なら多分好きになってたタイプだな、こりゃ…苦笑