甘く、優しく、ときには苦く


「鈴村さん!!」


接客もひと段落ついた頃
店長に呼ばれた。


「今手開いてるなら、これ運んでくれないかい?」

「はい!大丈夫ですよ。どちらにですか?」

たぶん、外科だろうな。


「外科の医局。奥本先生に。」


・・・やっぱり。

外科の先生方は、いつも配達だから。
忙しいからなんだろうけど。

でも、内科だって忙しいはず。
けれど藤岡先生は一回も配達を頼んだことがないんだ。


「わかりました。ちょっと行ってきますね。」

私は店長から紙の箱に包まれた商品を受けとった。



・・・外科かぁ。

配達なんて久しぶりだから少しわくわくする。

そういえば、いつも率先して配達を買って出る楓が、今日はやけにおとなしかったな。


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