甘く、優しく、ときには苦く

「あの、すいません。」

病棟の前に、ナースステーションに顔をだす。


「あれ?藤岡先生。どうされました?」

若い看護士さんが顔をだす。

この人は、俺の名前知ってくれてるんだ。
純粋にうれしいな。

・・・・でも、俺はこの人の名前を知らない。


ちらりと胸の名札を見てみると
"石崎"
と書かれていた。


「少し早いんですが、午後の回診をはじめようと思いまして。」

「あ~なら、私でよければ
今、あいてるんでお手伝いします。」

「ありがとうございます、石崎さん。」

そう言ってにっこり笑う石崎さん。

なんだかふわふわしていて、笑顔が癒される人だな。



「ちょっと待っていてくださいね。
準備します。」

石崎さんは、ナースステーションの奥に入っていった。




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