甘く、優しく、ときには苦く
「でも、わたしはそれでいいと思います。
つりあってなくて、いいって。」
「え?」
「最初からつりあっていて周りから
うらやましがられるようなカップルなんて、きっと後々しんどくなっちゃいますよ。
それより、多少つりあってないほうが
お互いの短所を改善し、長所をのばせる良きパートナーになれると思うんです。」
軽い口調でなかなか深いことを言う彼女に少し見とれてしまった。
「だって、わたし・・・・
最初は純粋に、藤岡先生にあこがれていただけですもの。
きれいな心がうらやましかっただけですもの。」
「そういえば、俺もです。
君の、人を癒せる雰囲気や笑顔にあこがれていただけでした。」
「わたしたち、似たもの同士ですね。」
やわらかく笑って首をかしげる。
「そうですね。」
「それに、今も思いましたけど藤岡先生の笑顔だって人を癒します。
え・・・
俺、今笑ってたのか?
というか、
「俺の笑顔は、人を癒したりしません!」
「いいえ。癒します。少なくともわたしは、癒されます。」