僕らの約束
「あっこちゃーん!かなたー!」
と、後ろから声がした。
振り返ってみると、清楓さんだった。
「二人とも入学おめでとう!お母さん涙が…」
奏多の泣き虫は、もしかしたら母親譲りなのかもしれない…。
「もうお母さん恥ずかしいから泣かないでよぉ…。」
「だめだったかしら?それより!あっこちゃん、新入生代表あいさつ頑張ってね!仕事で来れない佳歩李(カホリ)の分までみてるから!」
佳歩李とは、私の母のことだ。私の母は、世界的有名なカメラマンで、世界中を飛び回っている。なのであんまり家にはいない。だから今日の入学式も不参加なのだ。