猫の物語-short story-
リフとよく遊んだ河原、泥だらけになった公園、見晴らしのいい屋根の上。
そしてリフが一番好きだと言っていた丘にある木の上も…。

心あたりはすべて行った、でもリフはいない…。
ボロボロになるまで走り回った。
またリフの一番好きな場所に戻った。
とめどなく溢れ出る涙。リフと遊んだ日々が頭をよぎる。

そのとき微かにリフの声が聞こえた。
『トラ、急にいなくなってごめん。もう一緒に笑ったり、泣いたり、ケンカしたりできなくなっちゃった。でも逢えなくなったわけじゃないよ。いつでも逢えるさ。僕は君の心の中にいる。だから逢いたいと思えばいつでも逢えるんだ。だからそれ以上涙を流さないで』リフが語りかけてきた。
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