アダルトチルドレン
だけど、そうする事しか出来なかったんだ…

許せなかったから…
杏里はあの時、父親が悪いと思っていたから、後に病気が悪いと気付くんだけれど…

そう気付けたのも、父親の病気を杏里自身が受け止めたからだろう…

病気が全てを壊したんだ…

父親はアルコール依存症だった…
その影響で肝臓を壊し入退院を繰り返してした…


ある時、母親にどうしても頼まれて、父親の病気の自主グループ(同じ病気の人が集まって発言をしたりする場所)に父親といった…


その時の父親の発言、たったその言葉で父親への憎しみが少し薄れていった…


「家族には本当にわりぃと思ってるんです…だけど、どうしても酒が止められない…どうしたらいいんですか?」

声にならぬような声で、一番辛かった父親がいった…

杏里は横にいて涙が止まらなかった…

色んな気持ちが入り交じった、今まで感じた事のない涙だった…


そこをでる帰り道、とくに父親と会話はしなかった…

だけど、お互いに少しだけれど前よりも親子らしくなれた気がした…


よし病気を受け止めていこう…

そう決めた…
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