夢色そよ風
「今日、僕たちが出会ったのが運命なら、無駄にならなきゃいいね。」
「うん。」

そうだね。
私はちょっと過去に捕まりすぎた。
もう、過去ばかり見るのは止めるよ。

生きる意味を見つけたい。

「歌、続けてね。」
「え?」
「君の声は美しい。」
「私の声が?」
「そう。君の声は宝だ。」
「宝なんて・・・」
「君は宝を持っている。歌という名の。だから自信持って。」

もう、後ろは見ない。
私は一歩踏み出した。
朝に追いつく前に。
私が朝より先に進むんだ。

決めた。
私、歌をみんなに届けたい。
それを生きる意味にしたい。

「頑張ってね。」
「ありがと。」

サヨナラの代わりに『ありがとう。』
一生分の思いを込めて。
大きな大きな笑顔を添えて。
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