夢色そよ風
私はただただ泣いた。
君はただただ慰めた。
そしてずっと歌った。

気がつけば、朝はすぐそこだった。
一歩でも動けば朝に追いついてしまいそうで・・・
そしてまたあなたとの思い出が離れてく。
嫌だった。

「ねぇ、運命って信じる?」
「うん・・・めい?」
「そう、運命。例えばさ、僕が生まれたのが運命なら、僕には生きてた意味があるってことじゃん。」
生きる・・・意味?
「でさ、僕が生まれたのが運命なら・・・」
少しも間があった。
「死ぬのも・・・運命じゃん。」
死ぬ・・・運命?
「そうすれば、ちょっと自分に自信持てない?」
「うん。」
「だから僕は信じたい。」
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