Love&CocktailⅡ
「おーい上田!ちょっといいか〜?」
入り口から上田さんを呼ぶ声がした。
「あ、はーい!只今!ごめんなさいね。行かなくちゃ。海斗、またね?」
「あぁ。頑張れよ」
「えぇ。ありがとう」
上田さんはあたしにも“じゃあね”と言い残し、去っていった。
あたしは思ったことを率直に宇野くんに言ってみることにした。
「……ねぇ、宇野くん」
「はい?」
「……上田さん、前より雰囲気が柔らかくなったよね。優しくなったし」
あたしがそう言うと、宇野くんはびっくりしたみたいだった。
「え……乃愛さん…」
「……確かに…あたしは上田さんにあんなこと言われたけど…もう前のことだし。上田さんは宇野くんと付き合ってから確実に変わってきてるし。ホントは全然嫌な人じゃないんだな〜って思ったの」
あたしはそう言ってニコッと微笑んだ。
これは確かにあたしが思ったことだった。
恋をすると人は変わる。
上田さんは、まさにその言葉の通りだ。