月夜の天使
家に着くとすぐに瑞樹の部屋のドアをノックした。

「瑞樹、話があるの」

ガチャリと音がして瑞樹の部屋のドアが開いた。

部屋から顔を出した瑞樹の表情をよく見る。

瑞樹、よかった、なんともなさそうだ。

「加奈、どうしたの?」

「うん、瑞樹最近元気ないじゃない?大丈夫かなって」

「大丈夫だよ。僕より加奈のほうがつらそうだ」

瑞樹、私の心配なんかしないで・・・。

自分のことより私のことを心配する瑞樹の優しさが痛い。

「瑞樹、私にはなんでも話して。私、今まで瑞樹にいっぱい助けられてるの。私、瑞樹のためならなんでもする」

瑞樹が少し驚いた顔で加奈を見た。

「ありがとう、加奈」

そう言うと、瑞樹は久しぶりの笑顔を見せた。

大好きな瑞樹の笑顔だ。

この笑顔を護りたい。

どうか、この笑顔を護れますように……。


< 68 / 201 >

この作品をシェア

pagetop