月夜の天使
ゴー!!

玄関のドアを開けると中は火の海だった。

「加奈、行くぞ!」

十夜の青い瞳が深い海のような神秘をたたえる。

ブォン・・・!!

加奈と十夜の周りに水の障壁が現れ始めた。

水の勢いは強く、襲い掛かる炎をたちまち飲み込んでいく。

「美織はどこだ?」

「美織ちゃんは、2階のつきあたりの部屋よ」

「よし、行こう!」

2階に上がると、1階よりは火の回りは少ない。

よかった、美織ちゃん、間に合うかもしれない。

『カナン、汝の魂が欲しい・・・』

ビクっ!!

加奈は硬直したように動きを止めた。

『汝の魂を開封せよ!』

家の中にこだまする不気味な声。

「十夜!あいつが戻ってきた!?」

「いや・・・奴じゃない。これは小さな邪気だ。加奈、君が美織を護りたいという気を感じ取って、君の魂を食おうと邪気たちが集まってきている」

どうしよう!!

美織ちゃんはすぐそこなのに!!

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