パシれメロス【短編】
校外に出てヤキソバパンを買い昼休み中に戻る。

そんな事が可能な店は限られており、僕が向かっているコンビニも学校からは直線距離では五百メートルもない。

ただ間には割りと大きめの川が流れていて、脱柵したポイントから橋は少々大回りになる。

その橋が見える場所まで来て愕然とした。

橋が警察により封鎖されている!

呆然としながら今朝、朝食を摂りながら見たテレビのニュースを思い出す。

この川の上流の街で昨晩から今朝にかけて観測史上最大のゲリラ豪雨が降ったとかなんとか。

それを証明するようにいつもは穏やかな流れのこの川が、今はダムの放水もかくやという程に濁流がゴウゴウと音を立てている。

この濁流が鉄筋とはいえいい加減古いこの橋に深刻なダメージを与えてしまったようだ。

見れば橋脚は完全に水没し橋自体にも大きな亀裂が走り、波打つ濁流は橋の上面までも洗っている。

最早橋そのものが流されるのも時間の問題で封鎖は当然の対応だろう。

僕以外にとっては!

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