ピンク色の薄い唇
「あ、おはよ」同僚のバイトの女の子と挨拶。

床にある何かにドンッと何かにぶつかった。

「あれ?なにっ」

「なにって、僕ですよ」

「なんで、そんなとこに座ってんのよ」

「疲れてて」

「朝のバイトなのに、疲れてるってどういうこと?」

「昨日、寝てないんっす」

「寝てない?遊びほうけてたんじゃないの」

「ちがいます。別のバイトとかけもちで。夜もウエイターやってるから」

「あっそ、だからってバイト先で床に座ってるなんて
あり得ないわよ」

「あ、とにかくはじめまして。僕、神谷です」

「神谷君ね。話はクラスメートから聞いてるわ」

ピンク色の薄い唇が印象的な男だった。

ぬっと、神谷は立ちあがった。

うわっ、背、たかっ。

180センチは軽く超えている。

「これから、よろしくお願いします」

「ええ」
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