レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
鼻が解放されると、いい匂いがした。
しょーごさんの、香水の匂い。
認めたくないけど一番好きな匂いかもしれない。しつこくなくて、ほどよい。
しょーごさんを見つめた。
ケイくんを見つめて、
ワタルを見つめて、
最後にアキトを見つめる。
…多かれ少なかれ、みんな、あたしを信じてくれている。
アキトをスカウトしたとき、やっぱり辛かった。
金髪ヴォーカルの立場がわかるから。
あたしだって、同じだったから。
すごく胸が痛んだ。
――いろんな人の痛みの上に立って。
それでも、この人たちは前進していかなければならない。
そうあるべき、選ばれた人たちなんだから。
不思議と、そのとき覚悟が決まった。
アイドルだの歌手だの邪念がすうっと消えていって。
「…みんなを輝かせるために、全力を尽くします」
心から、そう、思えたの。