レジェンドは夢のあとに【8/18完結】


本当に、疲れてらっしゃる。

「…まつげ、ながっ」


触れれば届く距離にいるのは、変な感じだった。

あたしが今17歳で、しょーごさんは1つ年上。
それでも、お互いがまだ中学生だったとき、すでに彼はcmに出ていたのだ。



あたしは見つめ続けていた。
大画面を。





「……わっ! なんだよ驚かせんな」


目を開けたしょーごさんが、近距離にいたあたしに驚いて仰け反る。
あたしは両手を上げて、右手の缶コーヒーを掲げて見せた。



「す、すいません! あのですね、差し入れを」

「あー…」


しょーごさんはあくびをして、あたしの手からコーヒーを取った。

ふたを開けた。…と思ったら、そのまま一気のみ。



…おお。




「コーヒー一気のみですか」

「時間ねーだろ。 …これ、捨てといて」


やっぱり雑用係。

あたしに空き缶を渡すと、しょーごさんは車を降りた。


…そして、あたしをもう一度振り返る。



「なんかついてんぞ」

「へっ?」


< 102 / 226 >

この作品をシェア

pagetop