レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
…こ、この人は…
ケイくんがワタルの肩をぽんと叩いて、困ったように眉を寄せた。
「落ち込まないでよ。しょーごは人を落ち込ませる天才だから」
「ばっか。本当のことを答えただけだろ」
しょーごさんはさらりとそう言って、悪びれるふうもなく、シートにもたれかかった。
…そして、数秒空けてから、本当にさりげないことのように、続けた。
「それでも辞めたいって思えないぐらいに、音楽に夢中なんだ。俺は」
ワタルが顔を上げて、大きな瞬きをした。
ケイくんも少し驚いたように目を見開く。
――…ああ、またやられた。
あたしはズキュンと撃たれた胸を押さえて、ため息をついた。