レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
全然気づかなかったけれど、どうやら今来たらしい。
走ってきたのか、少しプリン状態の長い茶髪はかなりぼさぼさで、最初はぞくっとしたけれど、よく見ると結構美人。
…いっても、30は越えていそうだけど。
「あ、あの…どなたさまで…」
「おはよーございます彩花さん!間に合って良かった。心配してたんですよ」
ケイくんは、本当に心配してたの?と聞きたくなる、しょーごさんいわく"ATMみたいな"スマイルを向けた。
彼の慣れた様子と、「迎えに行かなきゃ」との発言からすると。
どうやら…
「マネージャーさん?」
「そうそう。彩花さん。まだ嫁げてないからたまにちょっと荒れてるけど、いい人だよ」
ケイくんがさらりとした笑顔でそう言うと、彩花さんは「余計なことは言わんでいい!」と叫んだ。
そして髪を手ぐしでとかしながら、あたしにつかつかと歩み寄ってくる。
紫のシャツにジーンズという究極にシンプルな服装なのに、背が高くてスタイルがいいからばっしりと決まっている。
近くで見れば見るほど、宝塚スターのような顔立ちだった。
化粧も濃くないし、髪もぼさぼさなのに、それでも美人。