レジェンドは夢のあとに【8/18完結】

白目剥いた。

本当に、容赦なし。

しかも1000回も落ちてない。100回である。


…まぁ、もはやどうでもいいけど…




林田さんは、「でもな」とアキトの真っ正面に立った。
ブラウンのサングラス。

表情はよく見えないけれど、ブラウンが透けて、目が少しだけ見える。



「その女の子が、お前には才能があるって言ってんだ。才能があるんだから、もったいないと」


「…」


「なんでベースやってる? ただの趣味なら、こんなとこ立たんでもいいだろ。家や学校でやりゃあいい。

ただの趣味なら、7歳んときからずーっと続けてなんかこれなかったはずだ」





この人はなんでこう…



…こんなに腹が立つのに、こんなに胸を突くことを言うんだろう。





「悪いな。はっきり言おう。デビューできる可能性があるのはベースだけだ」

「…な、なんだとっ!」

唇を噛む金髪ヴォーカルに、林田さんは冷淡に言った。



「プロの世界には、友情だのそんな甘いものはない。お前らがよく知ってるだろ。現実の厳しさを。
申し訳ないね。ただ、こっちも商売なんだ」



林田さんは最後まできっぱりと言い切ってから、「行くぞ、チア」とあたしを見た。

「え、あ、はい…っ?」

< 91 / 226 >

この作品をシェア

pagetop