レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
白目剥いた。
本当に、容赦なし。
しかも1000回も落ちてない。100回である。
…まぁ、もはやどうでもいいけど…
林田さんは、「でもな」とアキトの真っ正面に立った。
ブラウンのサングラス。
表情はよく見えないけれど、ブラウンが透けて、目が少しだけ見える。
「その女の子が、お前には才能があるって言ってんだ。才能があるんだから、もったいないと」
「…」
「なんでベースやってる? ただの趣味なら、こんなとこ立たんでもいいだろ。家や学校でやりゃあいい。
ただの趣味なら、7歳んときからずーっと続けてなんかこれなかったはずだ」
この人はなんでこう…
…こんなに腹が立つのに、こんなに胸を突くことを言うんだろう。
「悪いな。はっきり言おう。デビューできる可能性があるのはベースだけだ」
「…な、なんだとっ!」
唇を噛む金髪ヴォーカルに、林田さんは冷淡に言った。
「プロの世界には、友情だのそんな甘いものはない。お前らがよく知ってるだろ。現実の厳しさを。
申し訳ないね。ただ、こっちも商売なんだ」
林田さんは最後まできっぱりと言い切ってから、「行くぞ、チア」とあたしを見た。
「え、あ、はい…っ?」