君がいたから
「林!?」
「やっ」

倒れた体制のまま
林は苦笑いしながら言葉を放った

「ご、ごめん」
「いーよ、気にすんな」

差し出した俺の手を掴んで
起き上がりながら
林はそういって笑った

「で、どしたの?」
「別に~」
「あやしい」
「全然」

そんな言葉を数回交わして
二人して笑った

さっきのもやもやした気持ちも
いつの間にかなくなっていた

悩んだって仕様がない
どうせ人生は、
運命の言う通りにしかなってくれないんだから

逆らったって仕方ない
だから
悩んだって何にも変わらないんだ




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