君がいたから

「うん」
「でも・・・・友達の中ではさっ
 一番、好きだって言ってくれ、てっ・・・・」
「うん」

彼女の言葉にゆっくりと頷きながら答えた

「もう・・・嬉しいんだか、悲しいんだか・・・わかんない。よぉ・・・」

其処まで、好きだったんだ
先輩のこと

告白してないのに
もうふられた気分だよ




「青くん・・・有難う」

しばらくして
漸く落ち着いたのか
伏せていた顔を上げて
涙を指で拭いながらキレイに笑った

「どういたしまして」

彼女と同じ様に笑って答える

「かえろっか」
「うん」

夕暮れの道を
二人並んで歩いて帰った



一つ終わって
また一つ始まった

終わったと想っていた物語は
また、始まりを告げる
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