君がいたから

「なんですか?」

一度紙を見てから先輩に問いかける

「上総が入院している病院の住所だ」


淡々と先輩は言葉を発した
その言葉を聞いて
「なんで俺なんかに?」と二度目の疑問を投げかける

その言葉から、数秒間を空けて
先輩は口を開いた

「上総は、多分。君に傍にいて欲しいと想うんだ」

違うよ
間違ってる
上総が本当にきて欲しいのは
先輩のはずだ

例えふられても、
来て欲しいに決まってる

「青くん?」

先輩に声をかけられて我に帰る
知らず知らずに握っていた拳をゆっくりといた

そして、笑顔を作って

「なんでもないです。有難う御座います」

そう、なるべく心の中を悟れないよう言葉を発した
「それでは」と言い残し部屋を出る

拒絶されてもいい
傍に行くよ




「上総・・・」
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