夏草の香りが漂う丘〜風が運んだ過去(トキ)〜[ナツコイ企画]
「なんで…続けてくれるって…言って…くれないん…ですか…。」

その大沢さんの声は震えていた。
いや、よく見ると体も小刻みに震えているのがわかった。

若い…女の子の涙は反則…だよな。
たとえ、嘘泣きだったとしても…。

ついさっきの怒りは消えて、千尋さんに肩を撫でてもらっている大沢さんを見守っている事しかできないでいた。
< 125 / 214 >

この作品をシェア

pagetop