大学生、それぞれの恋愛
花枝の突然の提案に私は再び驚く。
「合コンて…え?」
私は大学に入学してから一度もお酒の席に顔をだしたことがなかった。
そもそもサークルなどに入っていなかったため、飲み会などは参加する機会がなかったのだ。
「合コン楽しいよ」
花枝はゆっくりと笑って携帯の画面を私に見せてきた。
「どれがお好み?」
ふわりと笑う花枝は可愛い。けれど…いまの花枝の笑顔は明らかに何かたくらんでいる顔だった。
「お好み、とかいわれても…」
「いいから答える!」
花枝の有無を言わせない声に私はしぶしぶ見せられた画面の中の画像を見た。
…あ。
この人なんとなく…
私はその写真の中の一人を指差した。