嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
ブラジャーを外し、
パンツだけ履いた直子さんは
ソファに寝転がり、
髪をかき上げていた。
下のほうには、
4コマだけ、
ビデオのシーンも載っている。
2人の男性に
乳首を舐められながら、
淫らな表情を浮かべる直子さんがいた。
「……葵???」
驚いた顔のまま、紗希に振り向いた。
「どうしたの??
50歳のAV女優にビックリしちゃった?」
「……ぁ、ぁあ、あ、そうだね。
ちょっとビックリしちゃったぁ」
「だよね!!
畑のオバサンもだけど、
この歳になって
こんなことするなんて、あり得ないよね」
「うん……」
何で??
何で??
何で、直子さんが
アダルトビデオに出演しているの??
直子さんが載っているページに
再度、視線を落とす。
出演作
『団地一淫乱妻の事件簿』
何かのパロディーかと思うようなタイトルだが、
その横に書いてある文字に
目が留まった。
『発売元 ラーキーフリーク』
緒川さんの会社だった。
そして私が出演したDVDの発売も同じ会社。
これってどういうこと??
直子さんも緒川さんと知り合いだったの??
頭の中がゴチャゴチャになって来る。
何で??
どういうこと??
意味が分からないよ!!!!
私は他のページを見ている紗希を置いて歩き出した。
「ちょ!ちょっと!!待って!!葵!!!」
急いでラックに本を返した紗希が追いかけて来る。
外に出ると
強い風に吹かれ、
髪が広がった。
手で抑えながら空を見上げると、
グレーの秋空が広がっていた。

