嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-
「……何、これ??
どういうこと??」
テーブルの上には、
並べられたプリントには、
裸になった女性が数人写っていた。
紐のような水着を着て、
大きく股を広げた女性や、
谷間を作って
色っぽい表情を浮かべる女性。
そんなものを突然見せられた私は、
息をグッと飲み、
唖然とした。
横で健太が
「何これ?!」と覗き込む。
「健太は見ちゃダメ!!!!」
私は顔を押しのけ、
その紙をすぐさま封筒に戻した。
「お父さん?どういうこと?何これ?」
これからとても怖いことが起きるような気がした。
身体は震え出し、
歯もガクガクとする。
お父さんはそんな私を振り払うように、
重い口を開けた。
「うちには借金があるんだ。
このままだと生活が出来ないから
お前にも仕事をしてもらいたいんだ。
写真を撮るだけだから、
慣れたら問題ない」
お父さんはそう言うと、
残っているご飯を口に入れ、
お風呂場へ向かってしまった。
……慣れたら問題ない。
感情も無いように発された言葉に、
私は実の娘ではないだろうか?と疑問が浮んだ。