嘆きの天使-ジュニアイドル葵の事情-


娘がさっきの女性のように、

裸で写真を撮られて
何とも思わないのだろうか?



ましては、
私は中学二年生だ。


未成年の子供に
こんな格好をさせて

親として何とも思わないのだろうか……。



私はヤダ。


私、普通の中学生だ。


あんな写真を撮られて
平気になれる訳が無い。



さっきの写真を
再び封筒から取り出した。



色鮮やかなバックに

強い照明が当てられた女性たちは、

白い肌を露出し、

大きな胸を主張するような
ポーズを取っている。



だが、
見るからに誰もが成人している。


子供なんて写っていない。



状況が分かっていない健太は

のん気に箸を進めていた。



“うちには借金がある”



父の言葉が頭を過ぎる。


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