Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
ハリー「きっとその電話口の子だって事件とは無関係だよ。話せばわかってくれるって」

サラ「……そうじゃない時は……」

ハリー「大丈夫だって」

あくまで平和ボケした事を言うハリーに、サラは会って住み込もうと思った時から考えていたことを、心を決めて言葉にする。

サラ「……私が…………ハリーを守るから…………」

ハリー「……そうだな。能力も何もない俺は足手まといだな」

サラ「違うの……っ!そういう意味じゃなくて……!」

自分の真意とは違うことを言うハリーに対し、サラはすぐさま否定しようとするが、その時、とても深く、愛情で包み込まれたような優しい言葉がサラに向けられる。



ハリー「でも……こんな俺でも、君を慰めてあげることぐらいは、できるよ」



その言葉にサラの疑念は完璧なまでに打ちのめされた。

捨てられるかと。

騙されるかと。

嫌われるのかと。

何度も何度も心の中で繰り返しながらも、拒絶されるのが怖かった。
何より辛かった。
でもハリーはそんな疑念さえ気にすることはないという。
サラの中にこれまでにない安堵感が訪れる。

それと同時に、胸の内が少しだけ熱くなっているのを感じるサラだった。

サラ「ありがとう……ハリー……」

ハリー「どう致しまして」

しかし───。

サラ「……ねぇ、ハリー……」

このお互いをわかり合えたいい雰囲気の場を台なしのブチ壊しにしてくれやがったのは───。

ハリー「うん?」

サラ「お腹すいた」

───サラの、腹の虫だった。
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