Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
ハリー「あぁ、ただいま」

ハリーは、まるで夫婦みたいな会話だなと内心笑った。

サラ「今日はどうしたの?」

ハリー「ん?何が?」

サラ「いや、随分遅かったから」

いつもより遅い時間に帰ってきたハリーを心配してか、読みかけていた本も閉じてサラは問い掛ける。

ハリー「あぁ、ようやく仕事をもらってきたんだよ」

デスクに荷物を置きながらハリーは言う。

ハリー「家にいながらでもできるSOHOっていう仕事でね。パソコンを使って会社の仕事を家でやるんだ」

サラ「会社の仕事を、家で……?」

イマイチよくわからないサラは、ハリーのSOHOという言葉の意味をよく理解できなかった。

SOHOとは、『スモールオフィス/ホームオフィス』の略称であり、パソコンなどの通信機器を用いて自宅などでビジネスをする事業のことである。

サラ「そのそーほーっていうのと、その買い物袋は何か関係があるの?」

見れば、鞄を置いたハリーのもう片方の手には中身がぎっしりつまった買い物袋がぶら下がっていた。

買い物袋の中身は、大きさから推測するに、牛乳、卵に、ステーキ、ポテト、パスタに豚肉、レタスとネギは袋からはみ出ているからわかるとして、あとはトマトに冷凍食品が五、六つといったところか。

ハリー「ん?何だ、わかんないか?仕事がSOHOに決まったから、俺はずっとこの家にいることになるだろ?」

サラ「あ!じゃあ午前中もずっと一緒にいられるんだ!?」

ハリー「そゆこと。まぁいつまでもサラに料理で負けてるわけにはいかないし、たまには一緒に料理するのも楽しそうだからな」
< 28 / 90 >

この作品をシェア

pagetop