Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
サラ「うん!とっても楽しそうね!それ!」

仕事を探して出かけるハリーがこれからは常に自分の側にいてくれる。

そんな胸高まる期待感がサラをさらにハイテンションへと導く。

サラ「じゃあさ、じゃあさ!お仕事決まったお祝いに今日はお外で食事しない!?」

そんなサラの提案をハリーは微笑みながら受け入れたかと思えば、ハリーは別の提案を出した。

ハリー「いや、そんな仕事が決まったから、なんてのよりもっと重要な事で祝わなけゃならないことがあるよ」

突然の言葉にサラは、せっかくのハイテンションを一瞬くじかれる。

サラ「え?何なの?」

首を傾げるサラを見て、ハリーはやっぱりなとでもいうような、ちょっと意地悪い笑みを浮かべた。

ハリー「やっぱり忘れてたな。ほら、カレンダーみなよ。今日は四月五日」

サラ「あ!そうか!私の誕生───」

しまった。

ハリーは瞬時にそう悟った。
それと同時に目の前の小さな少女の顔がみるみる青ざめていく。

サラは床に崩れるように座り込み、頭を抱え、ふさぎ込むようにして震えだし、泣きながら奇声に似た悲鳴をあげ始めた。

サラ「いやああぁあぁあああぁ!やめてええぇぇええぇ!!!」

当然か。
サラの誕生日は、母・モリーの命日となっていた。
誕生日をむかえる度にあの時の惨劇がサラの脳裏に蘇る。
サラにとってモリーの死はもはやトラウマになっていた。

だがもちろんハリーもそのことを考慮していなかったわけではない。

ハリー〔これで<四回目>か……。ふっきれていると思ったが、あまかった……〕

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