Hateful eyes ~憎しみに満ちた眼~
「よく来たわね。……フフッ」

サラ「!?」

少女が言葉を言い終わると同時に、いつの間に集まったのか、サラから十メートルほど離れた周りを男達が取り囲んでいた。
周りは雑木林が多いため、隠れ易いのだろう。

しかしサラは周りを一瞥しただけで、すぐに目は少女だけを見た。

サラが歩みを止める。

二人の距離は七メートルほど。

そこでサラは改めて相手の顔を見る。

驚愕がサラを襲う。その少女は、服装こそ違えど、サラと瓜二つだった。
髪の、そして肌の色。顔や体型、声も、何もかもがサラの生き写しだった。

サラが歩みを止めたのを見計らって、少女が言葉を続ける。

「私の名前はウィラ。そしてこいつらは私の手下よ。安心して。手は出させないわ。今日は話し合いに───」

ウィラと名乗った少女が言葉を言い終わらないうちに、雷が落ちたような音がして、ウィラが乗っていたジャングルジムが跡形もなく吹き飛んだ。

ウィラ「アハハハハハ。危ないなぁ。話し合いに来たって言おうと思ったのに」

ジャングルジムが吹き飛ぶ前に跳んで回避したのか、ウィラは無傷で地面に着地した。

しかしサラは、別段驚いた様子もなく、ウィラを指差しハッキリとした口調で警告するように言った。

サラ「質問に答えて。
でなければ、次は首を狙うわ」

「てめぇ!!」

サラの言動が気に入らなかったのか、チンピラめいた男の一人がサラに殴りかかった。
だがその拳はサラには届かず、後目に睨みつけたサラによって男は上半身を消し飛ばされ、残った体は血を巻き散らしながら宙を舞って後方に吹き飛んだ。

男達の間に動揺と戦慄が走る。
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